賛否両論に分かれてるダヴィンチコードを観てきました(・へ・) 流行りモノに手を出すのが億劫なんですが、彼女は流行モノ好き。
観た感想は、映画としてはそれなりにいい完成度だと思います。ただ、宗教観や歴史観をしっかり持った人が見た方がより良く楽しめる作品じゃないかなー? 映画の内容に触れるので、観てなくてこれから観る予定のある人は続きを読まないように(`∀´)

象徴学者のラングドン暗号解読官のソフィーが、ソフィーの祖父でルーヴル美術館館長のジャック・ソニエールの暗号めいた怪死により引き合わされて、聖杯を求めていく話。

ファ−シュやコレといった警察官や、宗教学者リーや執事のレミー
、アリンガローサやシラスといったオプスデイの面々が物語りをテンポ良く進めてくれるんだけど、ダヴィンチコードの原作に出てくるアナグラムの面白さがテンポによって半減されてる気がした所が、原作を読んだ方々からの不評の原因の一端なんじゃないのかなーとも思いました。

ウィトルウィウス的人体図に見せ、自ら怪死を遂げたソニエールの死に様なんて、せっかくの映像なのにウィトルウィウス的人体図をフラッシュバックさせる前に流れさっていったからねー(-_-;)
フィボナッチ数列もでてきたのに、これも意図も簡単に流されてたしね・・・←後でスイス銀行の開錠キーにはなってたけど(・へ・)

ソニエールが死の間際に自分の腹に書いた五芒星。五芒星と聞いて、悪魔崇拝を思い浮かべるのが常人の感覚なのに、五芒星をキリスト教以前の自然崇拝の象徴としてみるラングドンの解釈が省かれたりしてるからねー。宗教史学者の「神聖なる女性」や「聖なる女神」と言った概念の説明を五芒星の下りから外したのはもったいないと思うな〜(-з-) 五芒星を突き詰めていけば、聖なる女神=ヴィーナス。ヴィーナス=金星。金星が8年周期で黄道上に五芒星を描く話になるし、五芒星は黄金比に寄って描かれる美しい図形の一つと言うことも解ってくるし・・・。五芒星は世界が二つの側面でなりたってる事を表わし、男と女、陰と陽、世界調和のシンボルにもなるし、そーいえばアメリカのアメリカの国防総省もペンタゴンだしね。←こいつは世界調和かどうかは疑わしいけど・・・
神聖なる女性を腹に描いて、暗に聖杯を示している辺りを省くのは結構もったいないような気もするけど、映画だから時間の制約もあるし、しょうがないのか(・へ・)

さらにソニエールが床に残した意味不明な暗号も、日本語に訳しちゃうと更に意味不明になってくるけど、簡単な並び替えでレオナルドダヴィンチとモナリザが浮かんでくる辺りの謎解きがテンポによって消失してたのももったいないかも。まぁ、日本語でアナグラムに置き換えたり出来ないだろうから、これもしょーがないのかな(-ε-) 

話を順を追って解説していったら長くなるのでやめますが、結局は
聖杯を探す物語。聖杯伝説は今までだって世の中にあったのに、普通の人には感心が無かっただけで、その聖杯伝説の聖杯を最後の晩餐で用いられた杯(カリス)やイエスの血を受けた杯等の聖杯を探し求める、中世西ヨーロッパの聖杯伝説と異ならせたのが、このダヴィンチコードの結末なんだよね。

レオナルド・ダ・ヴィンチ、ロバート・ボイル、アイザック・ニュートン、ジャン・コクトー等、錚々たる面々が早朝に名を連ねるシオン修道会も物語に出てくるけど、シオン修道会を聖杯を守る秘密結社としての重要な位置に置いてるのもこの話の面白さかも。
シオン修道会は実在はしない実在の組織として史実に残ってるので暇な人は調べてみて下さい。でも、その嘘として葬られた所が、長年続く秘密結社として、ますます秘密めいてる所もなかなかいいなーなんて思ったり(^・^)

十字軍遠征後に結成され、巡礼に向かう人々を保護するために設立されたテンプル騎士団も登場し(テンプル騎士団はその名の通りに修道士の集まり)、歴史をチョットでも知ってれば楽しい映画だと思うよ。


そうそう、それで聖杯は何なのよ?って話なんだけど、この話に出てくる聖杯とはイエスの血流。

無宗教国家な日本ではあまりピンとくる話じゃないけど、一神教なキリスト教にとっては、キリストが神の子じゃ無いって事は天地をもひっくり返す様な事態だからねー。最後の晩餐に描かれたイエス
の隣に居る人物が、十二使徒【ペトロ、ゼベダイの子ヤコブ、ヨハネ、アンデレ、フィリポ、バルトロマイ、マタイ、トマス、アルファイの子ヤコブ、タダイ、ヤコブの子ユダ、シモン、ナタナエ、・イスカリオテのユダ、マティア(12人以上羅列しましたが、福音書によって、十二使徒の名前が異なってるので、取り敢えず羅列)】ではなくて、マグダラのマリアであって、そのマグダラのマリアがイエス・キリストの妻であり、妊娠していたって所がこの物語の核心。(因みに聖母マリアのマリアとは別人なのは言うまでも無いとは思いますが・・・) 

マグダラのマリアには娼婦というイメージがあるけど、イシュタル(愛と美の女神)やアロフディーティ(恋の女神)といった、キリスト教以前の女神たちが、娼婦と呼ばれた事に由来していたり、教会の謀略だったりする訳で・・・

イエスは神の子といった概念を崩す存在が、マグダラのマリアの棺とイエスの末裔。聖杯はイエスの子を宿った、聖なる女性そのものだったって話なんだよね。

最初に出てきた五芒星しかり、色々な暗号が込められた話でフィクションとしては史実を盛り込んで楽しい話だとは思うけど、やっぱり流行モノになっちゃうと、何となく価値が下がるね。

五芒星の話をしたけど、映画の最後には六芒星。六芒星は△と▽が重なった形。象徴学的に△は男性の三角形、▽は女性。インド風に言えば△はリンガ、▽はヨニを表していると考えられ、六芒星は男女の結合を表し、結果的に愛を表します。ダビデの星、あるいはソロモンの封印とも呼ばれる、正三角形と逆三角形を重ね合わせた模様の六芒星。

ルーヴル美術館の逆さピラミッドと小さなピラミッド。そこにマグダラのマリアが眠るといった話のオチもまぁまぁ良かったと思うよ。
グリニッジに変わる前のパリ天文台時の子午線のローズ・ラインをだして来る辺りも、知的好奇心を擽っていいね。

あの原作を、映画でここまで表現できたのは凄いとは思うね。原作を読んでない人にも解り易く作った所が、流行ってる要因なんだろうけど、きっと後世までは残らないな(・∀・)ウホーイ 

関連リンク
ルーヴル美術館
キリスト教
オプス・デイ