実家に住んでた頃に、道を挟んで向かい側に住んでたお婆ちゃん。

お年玉もくれるし、嫌いじゃなかった。
でも、いつの頃からか多少ボケてしまい、行動がおかしくなった。

人の家の庭をトイレ代わりにしてみたり、勝手にものをもっていってしまったり・・・

もっと大人な心を持ち合わせてれば

『ボケちゃったからしょーがない』

と思えたのに、

子供心には苛々が募って、何か嫌なモノを見てしまうような目で見てしまってた。



何にもしてないのに急に怒られたり、
隣のお婆ちゃんはいつのまにか

『隣のハバア』

に変わってた。



何でそんな事をしちゃったんだろうと今でも後悔してる事が、隣のお婆ちゃんが育てたコスモスに。


もうすぐで咲きそうだった秋桜を

『あのババア、ボケてるしムカつく・・・』

と、茎を何本も折ってしまった。



理不尽な理由で隣のお婆ちゃんに怒られて、
そのやりきれない怒りをコスモスを折る事で消化してしまったダメな心。


『ザマーミロ』

なんて思ったのは、折る直前の一瞬だけで後は後悔の念ばかり・・・。


結局、他にも沢山植えられていたコスモスは咲いたけど、
折ってしまった場所だけがぽっかりと空いてしまってた。


後悔はしてたけど、謝りに行けなくて時間は過ぎてしまった。

ボケが進行したからか、息子夫婦に引き取られる様に引っ越していってしまったお婆ちゃん。


お婆ちゃんが引っ越してしまった後は暫らく空き家になってた家。
お婆ちゃんがいなくなっても咲いてたコスモス。


新しく知らない人が住み始めた家。


コスモスはもう咲いてない家。

風の便りで、亡くなった事を知ったお婆ちゃん。



コスモスを見る度に、


『謝っておけば良かったな』

と思う。


意固地になってた心。

ほんのチョット勇気を出して謝っておけば、
もしかしたらまだコスモスは咲いてたのかもしれないと物思いにふけたり・・・